賃貸物件を管理する中で、沢山の修繕を行いますが、
そんな沢山の依頼の中でこれって誰もちになるのかな?
ってことが多々あります。
ここまでは躯体の話なのでオーナー持ちだけどここから先はテナントさん持ちだよね?
そんな事例をいくつか経験したのでご報告いたします。
A工事B工事C工事とはどういった意味?
不動産においては、設備などの修繕の際や、新しく何かを設置したいといった際に、
その費用は誰が払うのかといった問題がでてきます。
工事区分によって、賃借人が支払うべき費用とオーナー側が支払うべき費用とに分かれれます。
どこからが線引きか。
契約にも基づきますが、
簡単に言うと躯体に関することまではオーナー側の業者でオーナーの費用となります。
テナント様都合の改修や設備投資はオーナー側の業者によって施工したり、
テナント側の業者で施工しますが、どちらもテナントの費用持ちとなります。
- A工事(オーナー負担、オーナー指定業者工事、オーナー所有)
- B工事(テナント負担、オーナー指定業者工事、テナント所有)
- C工事(テナント負担、テナント指定業者工事、テナント所有)
なかでもB工事はややこしい案件となります。
判断が難しかったB工事
実際にあった依頼ですが、
今ある設備を新しい物にしたいという依頼で、
交換するには電気の動力が足りないとの判断。
屋上にあるキュービクルから新たに動力をとってこないといけないということに。
さらにメーターBOXが不運にも空きがない状態。
新たにメーター盤を作成し、テナント様の為の単独BOXを作成しなければいけません。
BOXまでを作れれば、あとはテナント様の物件まで線を引っ張って機械を設置できる状況でした。
テナント様の物件まで線を引っ張り機械を取り換えるのはテナント様が引き受けるという事で快諾でしたが、
メーター盤を作成するところまでは果たしてA工事かB工事か。
私の上長はもちろんB工事でしょ!と。
ですが、現調していただいた業者様見解はA工事かなと思いますと。
そこで、合い見積もりを取りたいという事もあり新たな業者様にみてもらい、
見解を聞くと、メーター盤まではA工事じゃないですかねと。
あ~も~ほんとにわからん。
上長に見解を聞くと、
契約書を見ても納得いくし、今回はテナント様が言い出さなかったら起こらなかった案件で、
お客様都合だ!B工事だよと。
ん~そうなりますよね。
それでテナント様へ伝えてみますと返答。
恐る恐る見解を述べると、先方はわかりましたとあっさり返事。
ま~お相手様が法人様だったからの展開かなとも思いますが、
すごく判断が難しい案件でした。
ちなみに、先に御見積いただいた業者様は80万円!
次に御見積いただいた業者様では30万円!
あれ?
もう本当にどうなっているの?!
ただし、このB工事においては貸主(オーナー)側が、
指定業者に利益を上乗せした見積もりを借主(テナント)に請求できるので、
この点をうまく理解すると、商機が発生します。
線引きが難しいA工事B工事
その他の案件を紹介します。
あるテナント様がエアコンが効かないので業者を呼びました。
エアコンは大丈夫でしたが、
屋上にあるエアコンに繋がる冷温水を貯める機械が故障しているので、
それが原因でエアコンにエラーが出ていることが判明しましたと。
テナント様も自分がつけたエアコンなので自分で修理業者に依頼してくださったのですが、
そこに至るまでの機械の故障。
これはどうなんだ~とまた判断を強いられます。
ある意味、これはテナント様の負担ですよと強気でいけば、
あまりわからないテナント様はあっさり受け入れるのかなとも思います。
しかし、契約や法律に詳しかったら反撃を食らいますね。
っていうか、本当に本来どちら持ちなのかははっきり理解しておきたい。
ここのあたりはまだまだ勉強中なので上長に判断を委ねます。
意外にも今回はA工事でいいよと。
あ~そうなのね!もう本当に難しい。
ま~とにかくテナント様のエアコンが正常に戻ってくれることが自分たちにとって最大の安心です。
A工事B工事。そんなことよりも大事なこと。
A工事なのかB工事なのか。
どちらの費用になるのか!
そういったせめぎあいはありますが、なにより大事なのは、
修理が必要になる前にオーナーとして修繕すべきところは修繕しておくことだと思います。
なぜなら、不具合が起こってからの対応は後手後手になり営業にとっても、
とんでもなくしんどい対応に繋がります。
クレームになるし、テナント負担であったとしても非常に言いづらい状況になります。
普段からメンテナンスはしっかりしておくことに越したことはありません。
害虫駆除だったり、テナント様依頼だったりに謙虚に対応して信頼を得られていれば
いざとなった時にまた違った結果に繋がるのかなと思います。
日々精進。
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